韓国釜山市「観光開発先進事例視察研修」参加者募集案内

お知らせ

1.視察研修の目的

造船業の低迷による企業倒産が相次ぎ、釜山市の中でも衰退著しい地域だったヨンド区は、「芸術と都市のなかの島/文化都市ヨンド」をコンセプトにした都市ブランディング事業に取り組み、海沿いのカフェ街は多くの若者が訪れる一大人気スポットになっています。

今回の視察では、世界三大デザイン賞を受賞した「都市ブランド・ロゴ」の制作や芸術文化事業に注力するなど、ヨンド区の果敢な取り組みを学び、若松北海岸開発のヒントを探ります。

 

2.視察研修の内容

・観光資源の活用方法:ヨンド地域における自然景観、歴史資源、現代的な観光施設の統合的活用方法

・観光インフラの整備:交通アクセス、宿泊施設、飲食店、観光案内所など、観光客の利便性向上に向けた施策

・地域経済への影響:観光業が地域経済や地元住民に与える影響、観光振興が地域活性化に与える効果

・持続可能な観光の実践:環境保護と観光開発の両立を目指した取り組み。

 

3.視察スケジュール(2泊3日)

 

4.募集人員

募集人数 : 15名(最小催行人数:10名)

 

5.参加費用

一人当り参加費用:123,580円(税込)

 

6.実施スケジュール

・事前準備 :  視察先選定、日程調整、参加者募集(1ヶ月前)

・視察実施 :  旅行実施(視察スケジュールに基づく)

・視察報告 :  視察後1ヶ月以内に参加者間で報告会を実施し、得た知見を共有する。

 

7.お申込み・お問い合わせ先

(有)ネイバーズ    TEL : 093-772-5010    FAX : 093-772-5102   Eメール : km@neighbors.co.jp

 

主催・実施: 西鉄旅行(株)   企画・事務局: (有)ネイバーズ

 

釜山市ヨンド区について

1.釜山市ヨンド区の概要

釜山市中心部と四本の橋で結ばれたヨンド(影島)区は、船舶需要の低迷で造船関連企業が相次いで倒産し、市内15区のなかでも開発の遅れた地域として衰退が顕著であった。

しかし、2019年に文化体育観光部(省)が定める「法定文化都市」に指定され、「芸術と都市のなかの島・文化都市ヨンド」をコンセプトにした都市ブランディング事業を進めるヨンド文化都市センターの取り組みが注目されるようになった。

「文化都市ヨンド」のブランドイメージを拡散するため、デザイナースクールや国際フォーラムなどを誘致し、より多くの区民が文化都市ブランディング事業に参加できるよう多彩な企画に取り組んでいる。

また、旧造船場内に登場した斬新なカフェを皮切りに、海岸沿いには老朽化した家屋を生かした多様なカフェが軒を連ね、週末には10万人の若者が訪れる一大人気スポットに変貌している。

 

2.若者を引きつける町に変化した要因

(1)都市再生プロジェクトとインフラ整備

都市再生計画やインフラ整備が進み、地域の景観や居住環境が大きく改善された。旧造船所跡地や工業地帯が再開発され、商業施設や住宅が増加。こうした再開発によって若者が住みやすい場所に変化している。

(2)文化・クリエイティブ産業の活性化

伝統的な産業から新しい文化やクリエイティブ産業への転換が進み、アートギャラリーやカフェ、デザインスタジオ、インディーズ音楽のライブハウスなど、若者向けの文化施設が増加。また、最近の韓国では、「アート村」や「クリエイティブシティ」といったコンセプトが支持されており、ヨンド区もその流れに乗っている。こうした新しい文化的な空間が若者を引き寄せている。

(3)若者向けの居住空間と価格

若者向けのリーズナブルな賃貸物件やシェアハウスが増加している。特に釜山の中心地である南区や海雲台区に比べ家賃が比較的安価であることが大きな魅力になっている。また、新しい住居やサービスアパートメントなど、若者が住みやすい環境が整備されている。

(4)交通の便とアクセスの改善

交通インフラが改善されたことで、ヨンド区から他のエリアへの移動が便利になった。都心部や他の人気エリアに行き来しやすくなり、居住地としての魅力が増している。

(5)トレンドとしての「地方都市」の再評価

近年のトレンドとして地方都市や郊外エリアが再評価されている。特に都市部に飽きた若者や仕事・生活環境にストレスを感じている人々が、生活コストが安く、リラックスできる地域への移住を選ぶようになった。ヨンド区もそうした流れの中にあり、都会の喧騒から離れた静かな環境でありながらも、便利な場所として注目されている。

(6)観光地としての発展

ヨンド区には、美しい海岸線や観光スポットも点在しており、観光地としての魅力が増している。釜山の観光業発展とともに、観光客だけでなく若者も訪れるスポットとして人気が高まり、観光業と地域の活性化が相乗効果を生んでいる。

 

3.ヨンド区の観光資源とカフェ

・釜山港: 釜山港は韓国最大の貿易港であり、港湾設備や物流関連の視察に最適な場所。海運業や貿易関連の施設が集まっている。

 

 

・影島(ヨンド)大橋: 釜山本島と影島(ヨンド)を結ぶ主要な橋で、橋上から見る釜山港の海の景色が魅力的である。

・釜山海洋博物館: 釜山港の歴史や海洋に関連する展示が行われている博物館で、釜山の港湾都市としての発展の過程を学ぶことができる。

・東萊山(トンネサン): ヨンド区のランドマークとなる山で、登山や自然探索が楽しめる。

・釜山の伝統的な市場: ヨンド区周辺には、釜山の伝統的な市場も点在している。市場や商業施設の視察を通じて地域経済や観光業の動向を学ぶことができる。

・ヨンド灯台: 釜山港近くにある影島灯台は、海上航行の安全を守るために重要な役割を果たしており、海運や航海に関連する技術的な視察にも最適。

 

・ヨンド区のカフェ: 海に近いエリアで美しい景色を楽しめるカフェが軒を連ねている。特に、ヨンド区は港町であり、海を見ながらゆっくりと過ごせるカフェが多く観光客や地元の人々にとって人気のスポットになっている。

<ヨンド区の個性的なカフェ>

 

 

*韓国・釜山市ヨンド区については、事等の記事もご覧ください。

文化資産を活用した観光地形成とまちづくり(九州国際大学 現代ビジネス学部 地域経済学科 Choi Keum jin教授)