若松商店街の再生に向けて
協同組合若松商連 代表理事 小山洋明さん
若松を興す
地元商店街の発展に向け各種販売促進事業を展開する若松商連の代表理事、小山洋明さんは自らも明治町銀天街で飲食店を経営しながら、地域の賑わいづくりに尽力している。商店主の高齢化や商圏の過疎化など、商店街を取り巻く課題や今後の見通しについてお話しを伺いました。 |
― まちづくりや商店街での活動のきっかけは何ですか。
小山さん:今から40年ほど前、私が大学生の頃には商店街に活気が無くなりつつあったように思います。ちょうどその頃、小倉で開かれたダンスパーティーに参加しました。大変な熱気で、こうしたイベントを若松でもやってみたいと思ったのが、まちの賑わいづくりに関わったきっかけです。
当時、若松にあったクラブを貸し切りにして、若い男女が集まるデイスコパーティーを開催しました。月1回のパーティーに加え、年に一度、バンドやDJを入れたビッグイベントも行いました。おそらく、若松で五百人規模の人が集まるイベントを最初にやったのは私かも知れませんね(笑)。
大学卒業後、実家である電気店の手伝いをしながら、商店街連合会の青年部が主催するダンスパーティーやイベントなどに携わりました。なかでも、平成12(2000)年頃から7~8年間、毎年秋口に旧古河鉱業ビルの前で行っていた「潮風フェアー」は、今でも印象に残っています。
これは商店街連合会の若手メンバーが中心になって実施したビヤガーデンです。バンド演奏が入り、戸畑方面からも渡船に乗ってくる参加者が多く、イベントと言うより地域ぐるみの和やかな集いのような雰囲気がありました。
― 商店街の人通りがめっきり少なくなりましたが何か対策を打っているんですか?
小山さん:商店街連合会が中心になって貸店舗ツアーやYou tube配信などを行い、各商店街の活性化に力を入れています。私が関わっている若松商連は連合会組織の一部で、加盟店は26店ほどですが、その内、地元に住んで営業をしている店は10店舗くらいです。
商店主の皆さんがご高齢でもあり、全体の半数ほどしか店が開いていないので、イベントをやってもその効果は余り期待できません。
大方の商品はインターネットで購入できますから、ちょっと珍しいモノ、若松でしか買えないモノ、同じモノでもお店が趣向を凝らして付加価値の高い商品を置くとか、いろいろ工夫しないと客は魅力を感じてくれないでしょう。インターネット時代に対応して商店街も変わって行かなくてはならないと思います。
若い人たちの出店を促すといった点では、維持管理費用を安くする方策も必要です。例えば、商店街アーケードの維持管理にかかる費用を軽減する方法とか・・・
― 商店街の今後の見通しについてどう思いますか?
小山さん:商圏はそこに住む人たちがつくるもので、周辺の居住人口が増えれば、商店街も自然に活気づきます。最近、商店街の近くにマンションが建ちました。空き店舗や空地ができれば、そこに何か入る余地が生まれます。老朽化したものを撤去し、新しい建物を建てる動きが少しずつ出てきてますね。
商店街のある旧市街地は今後しばらくの間、人口が減り、店舗が減少し、空地が増えると思います。しかし、若松の他地域に比べ利便性が高く、響灘地域での工場立地が盛んになっていることから、そこで働く人達が住むようになれば人口増が期待できます。
いずれにせよ、まずは商店街周辺の居住人口を増やすこと、特に若い人や子育て世代を増やすこと。これにどう取り組むか、商店街関係者が一丸となって知恵を絞る時期だと思います。
協同組合若松商連ホームページ https://www.wakamatsu-shoren.or.jp/
若松商店街連合会 https://wakamatsushoutengai.jp/