魅力と利便性を高め、
若い人達が住みたくなる「まちづくり」を

北九州市議会議員 三宅まゆみさん

若松を興す

北九州市議会議員 三宅まゆみさん

「石炭で栄えていた若松の話を祖父から随分聞かされて育ちました」と語る三宅さん。二十代の頃、まちの活性化を目指す市民活動に関わり、三十代で市議会議員に初当選。以来、7期27年にわたって地元若松を中心に北九州市の課題に取り組んでいます。今回は女性議員の立場から考えるまちづくりについてうかがいました。

市議会議員に立候補されたきっかけはなんですか?

三宅さん: 祖父の時代、若松は石炭景気でたいそう賑わっていたそうです。そんな話を聞いて育ったものですから、自ずと若松への思いが強くなりました。まちを元気にしたいとの考えから、講演会を企画して専門家の先生を呼んだり、市の活性化協議会委員なども務めてきました。そうしたなかで、市民運動の重要性に気付きました。

NPO法案が成立する前は、若い人や女性の意見をまちづくりに反映する仕組みが脆弱で、市民活動をされている議員さんもいませでした。地域づくりに取り組む人たちとの勉強会に参加するうち、徐々に市議会議員に立候補する気持ちが固まってきました。

全く経験のない最初の選挙の時は、女性はだめだとか、お金がないと無理だとか、いろいろ言われました。しかし、自分なりのやり方を試してみたいとの思いから、当時としては珍しい若松駅前での朝立ちを続け、町内会の集まりなどにも積極的に参加しました。おかげさまで初回当選を果たすことができました。

私が議員になった当時の市議会の総数は64名で、その内、女性議員は私を含めてわずか3名でした。しかし、今では女性議員の比率が高まり、57議席中、12議席を占めています。会派としては、旧民主党系と無所属で構成する「ハートフル北九州」に所属し、女性の声をしっかり市政に届けるよう活動しています。

現在、どんな課題に取り組んでいますか?

三宅さん: 特に子育て支援や教育の問題に力を入れています。北九州市の子育て支援は政令市のなかでも高く評価されています。子供医療の点では小児科病院が整っており、子育て支援の面でもNPO活動が活発に行われています。

しかし、一人親の家庭や不安定就労によって貧困に陥る家庭ですとか、不登校や発達障害などで悩んでいる方が増え、親や周囲の大人たちの不十分な養育に起因する問題も本市で増加しています。子供たちが悩み事を一人で抱え込まないよう、社会全体で見守り、支えあうような仕組みづくりに取り組んでいます。

また、価値観が多様化する国際社会になかで、しっかり活躍ができる人材育成の課題にも取り組んでいます。英語教育など国際理解教育に特化した公立の中・高学校の設置や国際化プログラムを充実させることが重要です。既にそうした施策を具体化している自治体もありますし、「国際都市・北九州」へのイメージ転換を図るうえで、効果的な政策だと思います。

若松の地域づくりにどのようなイメージを持っていますか?

三宅さん: 若松区の高齢化率は市全体の平均を上回っており、高台地区などに住む高齢者の「生活の足」として小型バスが運行されています。しかし、将来的には自動運転の普及など、利便性を高めながら負担軽減を図る先進的な地域交通インフラの整備が望まれます。

また、高齢化率を下げるためには、若い世代の定住を促進する施策が必要です。学研都市周辺地域では若い世帯が増加し、ひびきの小学校には千四百人余りの児童が通っていますが、成長する子供たちが住み続けたいと思うまちづくりが必要です。

学研都市のキャンパスには国・公・私立大学や研究機関が集積していますから、若松区の公立高校を理数系に特化した学校にするとか、南海岸通り周辺にIT企業を誘致するとか、洋上風力発電事業に伴う関連企業の誘致や観光資源化への取り組みも重要ですね。

北海岸やグリーンパーク、若戸大橋や高塔山の夜景などの観光資源をもっと磨き上げ、多くの地元企業が積極的に関われば、若い人達が関心を持つまちづくりの仕組みが出来上がると思います。

若戸大橋の無料化によって小倉都心が近くなり、住宅政策をしっかりやれば若松区への人口の流入が促進されると思います。最近、マンション建設で若い人達が増え、若松のポテンシャルが高まっているようです。若い人たちが外に出ていろいろな経験を積んで実力を蓄え、若松に戻って起業したくなるような環境を整えれば、本市の人口増にも繋がるのではないでしょうか。

※ 三宅まゆみ議員の施策等、詳しい内容はhttp://www.mayumi-arigato.jpをご覧ください。