福祉政策を充実させ若松を元気にする
北九州市議会議員 山内涼成さん
若松を興す
二十代初めに北海道で酪農経験をした山内さんは、帰郷後、北九州市営バスの運転業務に従事。組合活動に取り組みながら大型車両の各種免許を取得するなど異色な経歴の持ち主です。市議会議員になって2期8年目を迎え、「震災復興の加勢に行きたいが、なかなか時間がままならない」という忙しさのなか、まちづくりの取り組みについてうかがいました。
市議会議員になられた動機を教えてください。
山内さん: 共産党に関心を持ったのは母の死がきっかけです。八幡製鉄所で働いていた父は熱心な共産党員でしたが、温厚で優しかった母も党員だったことを知り、共産党に対する関心が湧いてきました。組合活動を始めたのは市営バスに入ってからです。
前任の共産党市議の方が病気で倒れ、急遽、後任として補欠選挙に推されました。若松区民であることが候補者要件に適ったのかもしれませんが、無事に当選を果たし、今年で2期目8年目になります。2月定例議会では就任して1年経った武内市長の政策をじっくり確認したいと思います。
高齢者の「足」として市営バスの役割が期待されるが、現状はどうですか?
山内さん: 経営的には厳しいと思います。私が現役の頃もそうですが、市民の足を守る意識で給与カットされても市営バスの存続に努力してきました。今後、「2024年問題」で民間も市営バスも運転手が足りなくなるわけですから、思い切った政策転換が必要です。
例えば、幹線道路は大型バス、それに接続する支線では小型或いは中型のバスを運用する方法です。バス運転手を確保するため、儲かる幹線道路は民間バス会社に任せて賃金の底上げを図り、支線を走る市営バス運転手は非正規でなく正規の公務員にすることです。運転人材を確保して市営バスの運用区域を若松区から市全域に広げれば、市民の「足」として利便性が格段に高まると思います。
若松区では、山手地域に住む高齢者の利便性に配慮して「お買い物バス」を運行しています。今は五つのルートですが、これを全市的に広げるべきですね。また、行きは買い物バスを利用し、帰りは荷物があるためタクシーを使う高齢者が多いので、自由に交通機関を選べる乗車券補助制度が必要です。
お買い物バス情報:https://kitakyushucity.jp/route/okaimonobus/
若松地域の魅力を高め、活性化を図るために必要なことは何ですか?
山内さん: 子供連れの若い人たちが楽しめる緑豊かな地域ですから、自然と足が向くまち、癒しを求める人々が訪れるまち、若松はそんな観光のまちになってほしいですね。若松の良さが分かる人々に定着してもらうためにも、若松の魅力を発信することが必要です。
また、洋上風力発電など北九州市が自前の電力を活かした企業誘致を進めれば雇用が生まれ、環境エネルギーに関心を持つ若者の定着が期待できます。白島石油備蓄基地やPCB処理工場誘致に伴う雇用効果や立地を懸念する声があり、大規模な洋上風力発電事業が進むなか、環境都市「北九州」のイメージを高めるには、石油備蓄基地よりも蓄電基地の方が望ましいですね。
少子高齢化対策として、どのような取り組みをしていますか?
山内さん: 先ほど説明した高齢者乗車券の他にも補聴器購入補助制度や学校給食無償化の問題に取り組んでいます。補聴器の購入助成制度は、介護予防の一環として難聴者の補聴器購入を助成することで、難聴老人の孤立や認知症の予防に役立つと思います。
また、学校給食の無償化は、小・中学生のお子さんを持つ家庭の負担軽減につながることから、全国的にも無償化する自治体が増えています。予算的な組み替えを行い、子育て支援の中心課題として取り組めば、「優しく生活しやすい」本市のイメージが高まると思います。勿論、無償化と同時に質の向上を図ることも大切です。いずれにせよ、政令指定都市の中で高齢化率が最も高い本市が取り組むべき課題は、少子高齢化に対応した社会福祉政策の充実です。