きめ細かい顧客対応で築いた70年の実績

地元企業<我が社の強み>
株式会社キフネ

若松を興す

代表取締役社長 福田愛二郎さん
(若松あつまる会事務局長)

若松区安瀬に社屋を構える株式会社キフネは、昨年、創立70周年を迎えました。その間、酸素や炭酸ガスなどの産業・医療用高圧ガスを取扱う専門企業として、数回にわたり経済産業省から表彰されました。「誠意・奉仕・貢献」の社是のもと、若松あつまる会の事務局長としても活動されている福田社長にお話しをうかがいました。

昨年、創立70周年を迎えられましたが、御社に沿革について教えてください。

福田さん:弊社の創立は昭和28年(1953)で、創立当初の社名は貴船商事でした。父が京都で学生生活を過ごしたことから京都市鞍馬にある貴船神社に因んだ社名にしたそうです。ご存じの通り、貴船神社は全国二千社を数える水神の総本宮で、諸願成就や運気隆昌、縁結びの神ですから、そのご利益にあやかるといった願いがあったように思います。

昭和44年(1969)に現在の場所に本社を移し、その10年後に酸素・炭酸ガス製造、充てん工場を建設。産業用高圧ガスの供給事業を本格稼働させました。その後、高圧ガス保安の取り組みが評価され、高圧ガス保安優良事業所として通商産業大臣賞を受賞することができました。

平成7年(1995)9月には新たに建設した現在の新社屋に移転し、平成12年(2000)から新エネルギー事業を推進しています。コインランドリー事業やグリーンエネルギー事業、不動産事業など、新規事業への取り組みを視野に入れ、令和元年(2019)に社名を貴船商事株式会社から株式会社キフネに変更しました。

事業環境も変化していると思いますが、御社の「強み」はなんですか?

福田さん:39歳で専務になり、平成19年(2007)に社長職に就きました。今年で30年になりますが、その間、多様化する顧客ニーズに対応しながら、産業用・医療用の高圧ガスや家庭用・業務用プロパンガスの供給、エネルギー関連機器等の販売、溶接関連商品や省力化・自動化に関わる産業機器などを提供してきました。

取扱商品の比率からすると、売上高の5割がガス関連で、工業用・医療用高圧ガスの比率がその内の8割程度を占めています。会社のモットーである「きめ細かい対応」を実践するため近隣企業との取引が多く、顧客の大半が若松地域の会社です。また、中小製造企業の人手不足が慢性化していることから、溶接などの作業用ロボットや関連機材のニーズが高まっており、FAロボットシステムの販売にも力を入れています。

御社の今後の取り組みについて教えてください。

福田さん:長年の実績を活かしながら、既存事業の高付加価値化を図ると共にドローン事業にも取り組んでいます。また、SDGs(持続可能な開発目標)を達成するため、太陽光システムや高効率ガス器具の提案販売を通じて省エネをサポートしたり、CO2排出量が少なく、災害に強いプロパンガスを活用した災害時対策や予防保全の啓蒙活動を行なっています。さらに、働きやすい職場環境づくりを進める共に、産業ガスの供給を通じて地域のものづくりに貢献したいと考えています。

ところで、若松振興の観点から、「あつまる会」で取り組んでいる事業がありますか?

福田さん:会ができて一年余りですが、現時点のあつまる会は若松区内に所在する企業のつながりを重視する親睦団体として、若松区政に役立つ支援を行うことに重きを置いています。若松活性化の推進母体としてのベースができつつある段階が今のあつまる会の状況です。

響灘や北海岸地域における観光インフラ整備のニーズはあると思いますが、どんな形でどのような投資をするかと言った具体策はないようです。若松の海岸線の魅力を満喫できるような周遊施設計画を起案し、これを実行に移せる人材や組織、大手資本などが参入してくれば状況がガラッと変わると思います。何れにせよ、若松を盛り上げるための意見はそれぞれお持ちですので、これを集約して具体化する仕組みづくりが必要だと思います。

株式会社キフネの詳細は、https://kifune-gas.co.jp をご覧ください。