若松の観光資源で北九州を元気づける

北九州市議会議員 本田一郎さん

若松を興す

北九州市議会議員 本田一郎さん

本田さんは若松岩屋生まれ。小・中・高と柔道に打ち込み、金鷲旗高校柔道大会で優勝。大学卒業後、会社勤務を経て家業である割烹旅館を継ぎました。市議会議員として東奔西走するなか、地元少年クラブでの柔道指導や地域でのボランティア活動に汗を流しています。「笑顔あふれるまちづくり」を掲げ、どのような施策に取りくんでいるのか、お話をうかがいました。

少子高齢化・人口減少が進む若松区の状況をどう見ますか。

本田さん:タウンミーティングでも指摘されていたように、若松の高齢化は地域的な偏りがあります。西部地区は新たに開発された地域なので若い人が多く高齢化率が低い。特に学研都市があることで利便性が高まり、若い世代を引き付ける魅力が増しています。

また、響灘の工業団地で働く人々の若松定住を促すため、旧市街地区の魅力づくりも大切です。旧市街の魅力を高める宅地開発、南海岸通り周辺の整備、商店街の空き店舗対策など、先ず現場からの情報を頻繁に発信し、広く関心を持ってもらうことが重要です。

地区別に高齢化率が偏るのは仕方のないことですが、区全体の高齢化率を下げるには、区全体が若者にとっても魅力ある地域になることだと思います。

若松地域の活性化を図る有効な施策は・・・

本田さん:先ず若松を再評価することだと思います。地元の人は地元の魅力を過小評価しがちですが、若松の農産物や自然、文化財、歴史など、どれも一級品です。

例えば、農水産物ではブランド化されたものもあり、これらの付加価値をもっと高めるには生産地の知名度を高める観光施策が必要です。また、岩屋・遠見ヶ鼻周辺海岸に露出している原始時代の地層も大きな観光資産です。

若戸大橋や南海岸通り、高塔山、グリーンパークは勿論のこと、響灘地区の洋上風力施設も将来的には有力な観光資源になると思います。

若松の観光地化を進める上で課題は何ですか。

本田さん:若松の郊外地域は市街化調整区域に含まれることから観光施設を建てることができません。しかし、地域住民が一丸となって調整区域解除を要望すれば可能性があるとのことなので、農家の方々の賛同を得て、景観や自然を保全しながら共存共栄を図る仕組みづくりを行なっています。

特に、グリーンパークを中心とするエリアの集客を図るには、食べる場所や泊まる場所がもっと必要です。「食」の観点から見ると。グリーンパークと北海岸を結ぶ495号線沿で飲食できるスポットは2~3カ所程度です。規制緩和によって、カフェやレストラン、食品工房やペンションなどの観光施設が設けられるようになれば、北海岸周辺地域の魅力がもっと高まると思います。

また、若松地域には魅力的な観光資源が豊富ですが、それぞれを効率的に繋ぐアクセスが整っていません。国内外からの観光客を呼び込むには、やはり利便性の高い公共交通機関が必要です。観光地化して利用者の拡大が見込めるようになったたら、シャトルバスや巡回バスの運行をお願いしたいですね。

若松駅や折尾駅を起点に若松の観光スポットをグルっと回れるバス便があれば、若松の魅力が身近になると思います。また、若者向けのサイクリングロード網の整備も必要ですね。

北九州市活性化のカギは、ポテンシャルの高い若松の資源を活用するということですか。

本田さん:遠見が鼻周辺の貴重な天然記念物を、インバウンドが盛んになる前に地元漁協関係者と協力しながら保全整備する。また、持続可能な漁業を実現して海産物のブランド化を図るため、養殖場を設けたり、専門企業の進出を促すなどの取り組みが大切ではないでしょうか。

九州全体を一つと考え海外発信することも重要ですが、やはり九州を構成する個々の自治体が魅力を備えないと東京や大阪以上に世界にアピールすることは出来ないと思います。また、九州の特定地域への観光客集中を避けるためには、北九州市の魅力を高め、若松の観光資源により一層の磨きをかけることが喫緊の課題だと思います。

 

本田一郎市議会議員の施策等、詳しい内容は、https://honda-ichiro.com/をご覧ください。