地域との連携目指す「暁の郷」子育て支援

児童養護施設暁の鐘学園
施設長 島田清さん

若松トピックス

児童養護施設暁の鐘学園 施設長 島田清さん

保護者がいない子、保護者から適切な養育をうけられない子、その他養育を必要とする子供たちが生活する児童養護施設「暁の鐘学園」の活動が、今年8月、若松区青葉台西に完成した施設で、新たにスタートしました。

児童家庭支援センター「Alba」を併設した新施設は、地域の人々と協力しながら子育て支援を行なう拠点を目指しています。

「暁の郷」とは、施設内に設けられた児童養護施設「暁の鐘学園」と、児童家庭支援センター「Alba」の総称です。今回は、暁の鐘学園の島田施設長に、学園の沿革や新施設の概要、今後の取り組みについてうかがいました。

暁の鐘学園の沿革について教えてください。

島田さん:暁の鐘学園は、昭和26年(1951)7月、当時、海上生活者の子ども達だけなく、養育が必要な子どもを受け入れるため、若松児童ホームの分園を若松市北湊に設けたのが始まりです。翌年5月には養護施設として認可を受け「暁の鐘学園」として事業を開始しました。

昭和53年(1978)には社会福祉法人高塔会として厚生大臣から設立認可を受け、昭和63年(1988)12月に若松区の小竹に施設を移転しました。

その後、改正児童福祉法の成立に伴い、これまでの集団養育から小規模な家庭的養育に移行するため、新施設の建設に着手し、今年7月末に竣工しました。

新装なった暁の鐘学園の特徴はなんですか

島田さん:児童が安心して穏やかに生活できる場を整え、健やかな成長と自立を支援するため、年齢に応じた発達支援、自立(自律)に向けての生活支援、家庭状況に応じた親子関係の再構築、地域社会への貢献など、施設の基本方針は、設立当時から受け継がれています。

児童養護施設は、社会の変化に伴って集団生活方式から、4~6人が独立した建屋で家庭環境に近い共同生活をおくる養育支援方式に変化しています。

これまでは保護・養育を必要とする子供の年齢を概ね2~18歳にしていました。しかし制度の改正によって年齢制限が緩和されることから、自立支援や援助に関わる地域住民の方々の協力を仰ぎながら、子供たちの社会適応能力の向上に努めたいと思っています。

「暁の郷」での今後の取り組みについてお話しください。

島田さん:行政からの委託を受け、子育てに関する支援事業を行なっています。保護者による子どもの養育が一時的に困難になった時に短期間お預かりするショートステイ事業、保護者の仕事等が恒常的に夜間にわたる家庭の児童を対象にしたトワイライトステイ事業等、これまで以上に積極的に取り組んでいくつもりです。

また、こうした取り組みを通じて蓄積してきた専門性を活かすため、児童家庭支援センターを今年の4月に立ち上げ、新施設での効果的な運営を進めているところです。

地域の子育て世代の方々が気軽に相談できる居場所づくり、縺れた親子関係を修復するための専門カウンセラー相談、家庭問題や親子問題を解決する地域連携のシステムづくりなど、地域の関係団体と協議を続けながら具体的な仕組みづくりを目指します。

社会全体で子どもを見守り育てていこうという流れのなか、地域の子育て拠点としての「暁の郷」が、地域の皆様にとって身近な施設になることを願っています。

「暁の鐘学園」詳細は、https://akatukinokane.com/をご覧ください。